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海苔の歴史
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一説によると、海苔は有史以前から食用として用いられ、税金の代わりとしても納められていました。
日本で最初の法律書である「大宝律令」(701年)には、朝廷への調(現在の税金)として約30種の海草類が挙げられ、なかでも海苔は高級品だったことが記されています。
平安京では、海苔は市場で売られてはいましたが、庶民に手が届くものではなく、上流階級である貴族のごちそうだったようです。この頃食されていたのは、生海苔が主流でした。
江戸時代に、大変革が起こります。徳川家康の海苔好きが講じて、現在の海苔養殖の基盤が生まれました。家康に新鮮な海苔を献上するため、東京湾で海苔の養殖が始まり、幕府は献上された海苔を財源として市場で売るようになりました。養殖が始まったことで、大量の海苔が市場に出回り、海苔は江戸の特産品として庶民にも身近な存在となります。
江戸時代中期、ごはんで様々な具を巻いた海苔巻きが庶民の間で大流行し、屋台ずしと呼ばれる店も登場しました。しかし海苔養殖は始まったものの、海苔のタネ付け作業はカンや経験だけを頼りに行われ、生産は不安定でした。
昭和24年、イギリスのドリュー女史が海苔の糸状体を発見、それまで不明だった海苔のライフサイクルが解明され、人工採苗の実用化に大きく貢献しました。人工採苗技術の普及は、それまでの天然採苗の不確実さをなくし、また天然タネ場が近くになかったために海苔養殖ができなかった地区も、産地の仲間入りを果たしました。
戦後はゼロからスタートした海苔養殖ですが、さまざまな技術革新のもと年々生産量が増加し、現在では100億枚の安定生産体制を保っています。
2月6日は「海苔の日」
毎年2月6日は「海苔の日」です。昭和42年、海苔を当時の貴重な税として記した「大宝律令」施行年の始まりである、2月6日が選ばれました。毎年、各種記念行事が行われています。 |
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