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良い海苔とは 海苔は、やや青みがかった黒紫色のものが最上とされています。また、厚さが均一で、歪みがなく、穴があいていないことも大切です。良い海苔は、口に含むと甘みがあるのも特徴です。

上手に保存 海苔は湿気と高温が大敵です。一度開封した海苔は、湿気をおびるのが早く、紫色に変色して、ぱりっとした張りや風味が失われてしまいます。
変化をなるべく防ぐには、密封して冷凍庫で保存するのが効果的です。

湿気てしまった時の活用法 もし海苔が湿気てしまったら、佃煮にするのがおすすめです。
まず、海苔を適当な大きさにちぎり、熱湯に入れ一煮立ちさせた後、ざるで水気をきり
ます。その海苔を鍋に入れ、醤油4、酒1の割合で味付けをし、汁気がなくなるまで煮詰めます。お好みで砂糖やみりんを加えても美味しくなります。
冷ましたら、瓶などの密封容器に入れ保存して下さい。
小さくちぎって、味噌汁に入れても、磯の香りをお楽しみいただけます。

海苔の旬と「初摘み」、「青混ぜ海苔」 海苔のシーズンは11月〜3月です。 のりにとって、いちばん育ちやすい海水の温度は約11〜13度で、海水の温度が10度より冷たくなると、のりの成長は止まってしまいます。
11月頃、一番最初に摘み採られた海苔は「新海苔」と呼ばれ、やわらかく、香り高い風味が特徴です。海苔は一枚の網から数回摘み取られますが、最初に摘み取った海苔を「初摘み」、「一番摘み」と呼びます。
たまに青海苔が網に付着し、黒海苔と一緒に成長した海苔を収穫する場合もあります。
青海苔の混ざった海苔を浜では「青混ぜ」と呼び、ちょっぴりほろ苦い香りがします。

同じ海苔は二度と採れない 海苔には他の食品で見られるような確固たる「規格」というものがありません。これは海苔が天産物であることの証拠であり、極端に言えば、同じ生産地で採れる海苔でも、その年の水温や雨の状態、更には海苔漁師さんの技術などにより、随分と異なる出来になります。
真の意味での同一品は、同じ浜で同日に同じ生産者の手によって作られたものしか存在しないのです。

焼くことによって更に旨味が増す 焼く前の海苔(乾海苔)は、磯の香りは強いですが、多少の甘味があるだけです。しかし、焼くことにより海苔の細胞膜の性質が変わり、口に含んで海苔が濡れると、独特の旨味や香りの成分が口の中に溶け出し、海苔の風味が楽しめるようになります。
また海苔の色は、葉緑素の緑色、紅藻素の紅色、藍藻素の藍色、そしてカロチノイドの橙色の4つの色素が混ざり合って出来ています。 これらのうち、紅藻素と藍藻素は比較的熱に弱いため、焼くとその色が変化します。一方、葉緑素の緑色は熱を与えても殆ど変化しないため、多少残っている藍藻素の藍色と合わさって、焼き海苔独特の深緑色になるのです。

海苔の育ち方
(春)
のりの養殖が終わる春頃、のりの葉体は成熟し、オス・メスのある有性胞子が放出されます。

(夏)
この胞子がくっつき果胞子となり、夏の間、糸状の形になって牡蠣殻にもぐりこんで夏を過ごします。この形を「糸状体」といいます。
海苔網に海苔の種をつける「採苗」作業には、大きな水槽に牡蠣殻糸状体を入れて、その上の水車に網を張り回転してタネ付けする「陸上採苗」と、“落下傘(らっかさん)”と呼ばれる袋に牡蠣殻糸状体を入れてのり網につるす「海上採苗」の2つの方法があります。
またのりのタネを育てる期間を「育苗」といいます。この時期は、台風がきたり、急に暖かくなったりと、のりが病気になりやすいので、注意しながら育てています。

(秋〜冬)
海の温度が下がると、成長した糸状体は分裂して殻胞子を放出します。この殻胞子がのりのタネとなり、次の新しい海苔へと成長します。

海苔が食べるもの 海苔は、海の中にある窒素、リン、カリウムを食べて育ちます。窒素、リン、カリウムは「植物の三大栄養素」と呼ばれ、植物プランクトンや海藻類の成長に欠かせないものです。窒素とリンは、山の中のミネラルが源となっています。雨が降ると、山の中のミネラルが川に流れ、海に流れて、海苔の栄養となります。

海苔の食べ方
食べ方から、関東と関西の食傾向がみられます。

関東
関西
1 おにぎり
2 ごはんと一緒に
3 お餅
4 手巻き寿司
5 山かけ・山芋の千切り
6 海苔弁当
7 ちらし寿司・五目寿司
8 そば・うどん
9 太巻き・のり巻き
10 お茶漬け
11 焼きそば
12 納豆
13 そのままで
14 丼物(親子丼など)
15 お好み焼き・たこ焼き
1 おにぎり
2 ごはんと一緒に
3 手巻き寿司
4 お好み焼き・たこ焼き
5 山かけ・山芋の千切り
6 お餅
7 ちらし寿司・五目寿司
8 太巻き・のり巻き
9 そのままで
10 お茶漬け
11 焼きそば
12 丼物(親子丼など)
13 そば・うどん
14 海苔弁当
15 天ぷら

海苔の主な産地
海苔は、大きく分けて東日本、瀬戸内、九州と3区に分かれ生産されています。

海苔の生産地は、日本全国に存在しています。のりが育つ条件は、穏やかで遠浅な海であること、潮の流れによって適度な水の交換ができること、海苔が育つのに必要な栄養塩が川から運ばれることです。日本海側は波が荒いので、養殖には向いていないと言われます。
海域と海苔質は密接に関係しており、それぞれの生産地で、海苔の特徴が表れています。

<東日本エリア>
北海道から愛知三重の東海地方まで、広範囲で生産されています。千葉では東京湾での海苔の養殖が行われ、“千葉のり”が有名です。香りが良く、上寿司向けとして供給されています。
 愛知県は養殖海苔発祥の地であり、香りや色の黒さで天下一品、また作りが丁寧と言われ、贈答用やお寿司屋さんに多く好まれます。
 三重県は海苔養殖が明治初めにスタートし、北は伊勢湾の桑名地区、南は鳥羽地区や各島々で行われています。 木曽川から供給される豊かな栄養分の恩恵を受け、味の良い高品質な海苔が作られています。

<西日本瀬戸内エリア>
瀬戸内海に面した近畿・中国・四国の漁業で構成されます。 その中で最も古いのは広島県で、兵庫県は日本を代表する大産地の一つです。
 瀬戸内エリアの海苔は、全体的に粘りがあり、色も黒く、主に業務筋によく使われています。時間が必要な持ち帰り寿司や、惣菜、細く刻んでも粉にならないことから“きざみのり”などにも最適と言われます。

<九州エリア>
国内最多の生産量を誇る有明海を持つ九州地区は、全国の生産量の40%を占めています。有明海は潮の干潟差が6〜7mもある浅い海で、海苔作りには最適です。佐賀有明は、玄界灘に面した唐津市周辺で養殖が始まり、現在では最高級の品質の海苔の産地です。
「佐賀有明ブランド」は贈答品だけでなく、高級おにぎり等でも良く使われています。有明海の海苔は甘み、うまみに定評があります。

「支柱柵漁法」と
「浮き流し漁法」
海苔の養殖方法は大きく二つに分けられ、それぞれ支柱柵漁法、浮き流し漁法と呼ばれています。
支柱を立て、支柱にのり網を縛り、のりを育てる「支柱式漁場」。特徴として多少赤目ですが、柔らかく口溶けの良い海苔が出来ます。
のり網のまわりに浮きをつけて、海底にいかりで固定し網を海面に浮かせる「浮き流し漁場」。水深の深い海でも養殖が可能で黒々とした艶のある海苔が出来ますが、支柱柵と比べると多少硬めの海苔が出来ます。

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